日本には松阪牛、神戸牛、近江牛、飛騨牛など多くの地域ブランド牛があります。これらのブランド牛は全て黒毛和牛(正式には黒毛和種)です。
世界の精肉業界では「日本の黒毛和牛はとてもおいしい」という評価がされており、産地に関係なく「黒毛和牛(黒毛和種)」そのものが旨いのです。
とは言え、個々の肥育農家(子牛を食用にするため育てる農家)が好き勝手に育てたお肉が流通すると、やはり一定以上の品質を保つことが難しくなります。そこで、いくつかの産地が自主的に血統、肥育期間、餌、格付などの基準を定めることで品質を保つようにしました。この産地ごとの基準を満たした黒毛和牛が、各地域ブランド牛として信頼され流通しているわけです。
「松阪牛専門焼肉店」と「黒毛和牛専門焼肉店」。値段が多少高いだけなら「松阪牛専門焼肉店」に入る方が多いのではないでしょうか?
「黒毛和牛」がおいしいと分かっていても、「松阪牛」というブランドがあれば安心して食べることができます。
しかし全国には、地域ブランドがない産地であっても、大切に牛を育ておられる肥育農家さんが沢山あります。真心こめて育てた極上のお肉が評価されないことはとても残念なことです。
そこで、大喜屋では独自の基準を定めたブランド「大黒千牛(だいこくせんぎゅう)」を作りました。産地を特定しない代りに、他のブランド牛よりも厳しい基準を定めることで高品質なお肉の提供をお約束する安心のブランドです。
「高級食材」の類に入る「黒毛和牛」。消費者心理からすると「安い黒毛和牛」は品質が心配されるため、高価な価格設定の方が売れやすいという考え方も存在しています。
しかし当店が最も大切にすることは、「少しでも安く、より旨いものをお客様に提供する」こと。
実は、当店がオープンする前に候補に上がった価格があったのですが、そこから店内で4回もの値下げ設定を行い、現在の価格でオープンすることが決まりました。
精肉業界では「昔の肉はうまかった」とささやかれることがあります。昔の精肉店や老舗すき焼き店では、密閉された空間に巨大な氷と一緒にお肉を保管することでシンシンと冷やしていました。この保管状態が、お肉を自然と熟成させていため旨かったのです。
ところが、現代の冷蔵・冷凍庫は冷風をあてて冷やすため、お肉は真空パックすることで乾燥を防いでいます。
この環境ではお肉が熟成することがなく、昔の方が旨かったと言われるわけです。
そこで大喜屋では肉本来の味を堪能していただくために、巨大冷蔵庫の中にさらに冷蔵庫をつくり、この「昔ながらの熟成方法」を現在に再現しました。乾燥させるドライエイジングとは違い、特殊なミストが降り注ぐ保冷庫は本来の熟成方法で本来の肉の味を引き立てます。
こうして生まれたのが熟成肉「本熟 深喜21(ふかきトニワン)」です。
酸味や臭みで熟成肉嫌いになっている方は、本来のお肉の味を一度お試しください。
これまで日本では、高級牛肉よりも味の劣るお肉をおいしく食べる方法の一つとして熟成という手段が取られてきました。ところが近年の熟成肉ブームではより旨いものを求めて、黒毛和牛の熟成肉も増えてきました。
そんな熟成肉ですが、現在の日本では熟成期間や保存環境に関する定義や基準はなく、精肉店や飲食店が独自の解釈で販売を行っています。
そこで大喜屋では、全国食肉事業協同組合連合会などの団体が集まって定めたガイドラインに記載されている「保存温度2℃の場合の可食期間45日」が安全な基準と考えました。お肉をしっかり寝かせられ、しかも45日以内にお客様に食べていただくため、お肉の寝かせる期間を21日間とした、「本熟 深喜21(ふかきトニワン)」を販売しています。
当店のお肉は、お客様からご要望がなければ全て冷凍で発送しています。
「冷凍だと味が落ちるのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、専用の機械で「瞬間冷凍(ショックフリーズ)」したお肉だと冷蔵よりも冷凍の方が品質が保てるのです。
冷蔵の場合、お店から運送会社のトラックに積む時、また運送会社での荷物の積み替え、トラックからお届け先の玄関の間と、常温に触れる時間を避けることができません。
冷蔵の場合は消費期限が約3日と短いため常温に触れると肉質は低下する一方です。
冷凍の場合は、多少常温に触れても肉質の低下はほとんどなく、瞬間冷凍なら解凍した際も凍結前に近い状態に戻すことができます。当店では、冷蔵庫のように寒い部屋でお肉のスライスを行いそのまま冷凍するため、高い品質管理が可能となっています。
商品ごとの手間とコストが増えても、お客様の“旨い”と安全が最優先の大喜屋です。